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情報拠点・情報領域 木下賢吾先生にインタビューしました

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2015年5月22日取材

先木下先生がこの研究生活にお入りになるまでのご経歴を教えていただけますか?

 研究者になろうと強く思っていたわけではないのですけれども、当たり前のように進学し、当たり前のようにこの世界に入ったような気がします。というのは、大学の4年生で所属した京大郷信広 研究室で、同期が7人ぐらいいたのですが、そのうち3人はそのまま修士に進学しましたね。そして、その3人が全員博士に進学して、しかもその 3人はそのままいまだに研究者としてやっているのです。同期の人が当たり前のように進学しましたから、あまり研究者になるということに関して 何かきっかけがあって、さあやるぞという感じではなかったです。

このプロジェクトの高度化において、どのようなことを分担されていますか?

 創薬等情報拠点の分担機関として、3つのことをやっています。天然リガンドデータベースと、遺伝子の共発現のデータベース作成、それから ゲノム上のどの位置が変わった時に、タンパク質構造のどこが変わるのかを対応づける必要がありますが、そのデータベースも研究室で構築しています。

このプロジェクトの後は、どのような研究をめざされるのでしょうか?

 さきほど3つのことをお話ししましたけれど、タンパク質のさまざまな構造が、天然リガンドとどういう関係にあるのかということ、結局 のところ、機能部位にゲノムの変異がどういう影響を与えているのということを理解したい。さらには、このプロジェクトとは、別に「時間情報」ということをやっていています。「時間情報」とは、シミュレーション的なプロファイリングのことです。学生時代に所属していた郷信広研究室では、みんながシミュレーションをやっていたので、自分は絶対シミュレーションなんかやるかと心に誓ったのです が、今は結局シミュレーションもやっていますねえ(笑)。低分子の認識ということに関しては、創薬ということにかかわらずとっても興 味があります。学生時代の最初の研究論文は、低分子化合物がタンパク質にどのように認識されるのかを博物学的データベースから考察する研究でした。その時のメンタリティーとしては、細胞の中にいろんな種類の低分子がいっぱいある。でも、タンパク質は特定のものをキッチリ認識している。そうすると、キッチリした認識がものすごく重要なことであり、認識を間違えると反応が別のところに行ったり、反応がうまくいかなかったりすることになる。本当にキッチリ認識することが重要で、それがなぜできているかがよくわからなかったので、今でも 低分子のことをやっています。

先生が先ほどからおっしゃっている3つのテーマというのは何らかの形でそのことに関係していますね。

 そうですね。三つ子の魂百までではないですけれど、最初にやったことはやっぱり忘れられないですね。

この度は忙しいところをインタビューのために時間を割いていただきありがとうございました。

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