生命科学・創薬研究支援基盤事業(BINDS)ではこのたび「創薬等よろず相談窓口」を設けることとなりました。
生命科学領域では、従来から生物が営む生命現象の複雑かつ精緻なメカニズムを解明することを目標として精力的に研究が行われてきましたが、近年、分析技術の高度化、精密化により生命科学研究の質やスピードが飛躍的に進展しています。これらの生命科学研究の成果が医療・創薬へ発展することが期待されています。本事業においても、ここ数年の間に医学や薬学等に所属する研究者からの申請が飛躍的に増加しています。これらの優れた成果を医療・創薬に活かすことは本事業の重要な使命の一つにもなっております。
現在、BINDSでは、それらの要望に応えるべく、研究支援のために6つ研究領域別ユニットの下に56の事業課題を設置しています。このうち構造解析や計算科学などの分野では、高度な解析技術・手法が確立・整備されてきましたが、一方で創薬研究に関しては、そのプロセスが複雑であり、研究戦略の立案・実行が困難で、支援の申請をするにも実現に必要なメソッドのみならずゴールそのものも明らかでないといったケースが多々あります。
そこでBINDSでは、創薬関連の課題申請の際に、支援を受けることが可能か、具体的にどの課題で支援を受けたらよいのか、どこまで支援を受けられるのかなどの申請希望者の疑問に備えて、専門家の助言が得られる窓口を設けることとなりました。当窓口では本事業に長年携わってきた経験ある専門家が支援の要望や内容についてコンサルティングを行うだけでなく、創薬研究戦略の立案や創薬標的のバックグラウンド調査をお手伝いします。また、関連する領域の研究者の意見を聴取して問題を整理し、必要に応じて事前に本事業内の課題代表者らとコンタクトをとって、どうすればスムーズな支援が受けられるか等をお伝えすることとしています。
これによりその後の通常のワンストップ申請の窓口において、申請希望者は的確な申請を行うことができ、支援予定者との間で長時間に及ぶやりとりなしに、円滑かつ迅速な承認を受けることが可能となります。ご疑問がおありになる、あるいはお迷いの際にはふるってご利用されることを期待しています。