A1-11 タンパク質X線溶液散乱法による解析支援

ユニット名

構造解析ユニット

支援担当者

所属 ① 理化学研究所 放射光科学研究センター
② 高輝度光科学研究センター
③ 理化学研究所 放射光科学研究センター/高輝度光科学研究センター
氏名 ① 清水 伸隆
② 関口 博史
③ 増永 啓康
AMED
事業
課題名 生命科学と創薬研究に向けた相関構造解析プラットフォームによる支援と高度化
代表機関 理化学研究所
代表者 山本 雅貴

支援技術のキーワード

BioSAXS、SEC-SAXS/MALS、性状解析、構造解析、相互作用解析

支援技術の概要

Photon Factory及びSPring-8の小角X線散乱(SAXS)ビームライン(PF BL-10C/BL-15A2、SPring-8 BL38B1)における生体高分子のX線溶液散乱測定解析支援を行なう。構造自由度の高いタンパク質や不安定複合体の解析では、溶液中の試料は多分散な状態にあることも多い。そこでサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により分子を単離しながらSAXS測定を行ない(SEC-SAXS)、標的の構造状態の高精度解析を実現する。また、複合体形成のストイキオメトリーを解析するため、同じくSECと組み合わせた多角度静的光散乱(SEC-MALS)も活用し、溶液中の構造状態に関してSAXSと相補的に解析する。手法の初心者に対して、試料の準備から測定、解析までの全てのサポートを行なう。

支援技術の利用例

  • 溶液中の性状、構造状態(分子サイズ、分子量、会合状態)の推定・評価(結晶化やクライオ電子顕微鏡による解析を目指す試料の事前評価にも活用)。①②③④⑤
  • 多分散状態にある溶液試料に対して、標的分子(複合体)をゲル濾過で単離しながらSAXS/MALS測定を行い、その分子(複合体)の性状や構造情報を獲得。①②③
  • Ab initioモデリングによる溶液外形解析(ビーズモデルの導出)。③
  • 溶液中の構造と結晶構造などの高分解能構造の比較(実験で得られたSAXSプロファイルとPDB座標から計算された理論SAXSプロファイルの比較)。②③④
  • SAXSプロファイルと既知のPDB座標を活用した、溶液中の4次構造予測(Ab initioモデリング+Rigid bodyモデリング)。③
  • 既知のPDB座標に分子動力学計算(MD)や基準振動解析(NMA)などを適用し、SAXSプロファイルに基づく溶液構造状態の推定(インシリコ解析ユニットとの連携)。④
  • 溶液中に存在する構造アンサンブルの推定(アンサンブル最適化法(EOM)による解析)。⑤
  • 実際の利用例は、支援担当者の研究概要に例示する。

    支援担当者の研究概要

    ① Araki et al. Sci. Rep. 6, 30473 (2016). doi: 10.1038/srep30473
    ② Kajikawa et al. Nat. Commun. 9, 4330 (2018). doi: 10.1038/s41467-018-06797-8
    ③ Hirata et al. Nucleic Acids Res.47, 10942-10955 (2019). doi: 10.1093/nar/gkz856
    ④ Anami et al. J. Med. Chem. 59, 7888-7900 (2016). doi: 10.1021/acs.jmedchem.6b00682
    ⑤ Virk et al. Acta Cryst. D78, 204-211 (2022). doi: 10.1107/S205979832101247X
    ⑥ Shimizu et al. AIP Conf. Proc. 1741, 050017 (2016). doi: 10.1063/1.4952937
    ⑦ Yonezawa et al. AIP Conf. Proc. 2054, 060082 (2019). doi: 10.1063/1.5084713

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