A12-1 膜タンパク質の発現生産、精製

ユニット名

構造解析ユニット

支援担当者

所属 ① 東京大学 大学院理学系研究科
② 東京大学 大学院理学系研究科
③ 東京大学 大学院理学系研究科
氏名 ① 濡木 理
② 志甫谷 渉
③ 木瀬 孔明
AMED
事業
課題名 高難度膜タンパク質等の調製と構造解析可能なグリッド調製の支援
代表機関 東京大学
代表者 濡木 理

支援技術のキーワード

クライオ電子顕微鏡、膜タンパク質、超分子複合体

支援技術の概要

・昆虫細胞や動物細胞を用いて標的タンパク質を大量発現。

・精製システムや、精製標品の品質を迅速に評価する蛍光ゲルろ過法

・グリッド作製装置および凍結グリッドの質を迅速に評価するためのクライオ電子顕微鏡Glacios

支援技術の利用例

・真核生物由来膜タンパク質複合体の発現と精製の最適化
真核生物由来のロドプシンやヒト由来のイオンチャネル、G蛋白質共役受容体やGRKの発現・精製を昆虫細胞と哺乳動物細胞で行っている。

・難易度の高い可溶性蛋白質や超分子複合体を対象として、蛍光ゲルろ過法を用いて性状を評価しながら発現精製に成功している。

・膜蛋白質をナノディスクに再構成し、構造解析に最適なグリッドを作製できている。

・グリッド作製支援とクライオ電子顕微鏡による解析
蓄積された膜蛋白質のグリッド作製の様々なノウホウを用いて、最適なグリッド作製を行い、クライオ電子顕微鏡Glaciosによって迅速に評価する。クライオ電子顕微鏡Titan Kriosでの測定も補助し、高分解能構造解析につなげる。

支援担当者の研究概要

・リン脂質のフリッパーゼP4-ATPaseとポリアミンの輸送体ATP13A2に着目し、クライオ電子顕微鏡を用いた単粒子解析によって、それぞれリン脂質、ポリアミンが輸送される過程の複数の中間状態の構造をスナップショットとして可視化することに成功し、トランスポーターによる基質輸送サイクルの全貌を世界で初めて明らかにした(Hiraizumi et al., Science, 2019; Tomita et al., Mol Cell, 2021)。



・電位依存性カリウムチャネルKv4.2超分子複合体のクライオ電顕構造を決定し,サブユニットによるアクションポテンシャルのモデュレーション機構を解明した(Kise et al., Nature, 2021)。

・β3アドレナリン受容体をはじめとする複数のGPCR-G蛋白質複合体構造を決定し、薬剤やリガンドによる受容体活性化機構を解明した(Kobayashi et al., Nat Struct Mol Biol, 2020; Fukuhara et al., BBRC, 2020; Okamoto et al., Nat Struct Mol Biol, 2021; Nagiri et al., Mol Cell, 2021)。

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