所属 |
① 九州大学 生体防御医学研究所 ② 京都大学 大学院医学研究科 |
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氏名 |
① 大川 恭行 ② 沖 真弥 |
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AMED 事業 |
課題名 | 空間オミクス解析の支援 |
代表機関 | 九州大学 | |
代表者 | 大川 恭行 |
トランスクリプトーム,エピゲノム,疾患エピゲノミクス
■ 空間オミクスの支援サービス
以下の項目から必要なものの組み合わせで支援サービスを行う。
1. Photo-Isolation Chemistry:PICの支援サービス
被支援者とあらかじめ打ち合わせを行い、研究背景、ROIの特徴、サンプル数などを聴取する。目的の切片を郵送してもらい、支援担当者の施設で① in situ 逆転写反応、② ROIへの光照射、③ ライブラリ合成およびシーケンス解析を行う。情報解析まで行ったのち、マッピングデータ、差次的発現リスト、クラスター解析結果を成果物として被支援者に納品する。また、被支援者とのWebミーティングにて解析結果を報告する。
2. 1分子RNA-FISHの支援サービス
支援内容:被支援者とあらかじめ打ち合わせを行い、研究背景、検出したい遺伝子、サンプル数などを聴取する。目的の切片を郵送してもらい、支援担当者の施設でFISHと撮像を逐次的に繰り返し、情報解析まで行う。遺伝子名とその座標が記述されたデータを成果物として被支援者に納品する。支援担当者側で設計した遺伝子以外を希望する場合および大規模な解析の場合は、別途その合成費用を被支援者が負担する場合もある。
3. ChIP-Atlasによる情報解析支援サービス
支援内容:PICおよびseqFISH+により、ROIで特異的に発現する遺伝子を得たのち、その上流因子の予測をデータ駆動的におこなう。補助事業分担者の沖は、世界中のChIP-seqデータ数十万件を統合したデータベース、ChIP-Atlasを開発・運営している。本支援事業ではその膨大な転写因子-遺伝子結合プロファイル(数十億件)を活用することにより、ROI特異的遺伝子に結合がエンリッチする転写因子を抽出する。これにより、ROIの性質や分化状態を司るマスター制御因子を予測する。
空間オミクス技術としての優位性:PICはサブミクロンレベルの空間分解能でROIを定義することができ、ノンバイアスかつ高深度のトランスクリプトーム情報を抽出できる(図2)。とくに単一細胞から1万程度の遺伝子、1 μm2あたり300 ものRNAを検出できる空間トランスクリプトーム技術は他にない。一方で、空間バーコードを用いる10X Visiumは空間網羅性に優れるが、PICよりもはるかに空間解像度や検出感度が低い。局所領域の解析技術としてレーザーマイクロダイセクション法がよく使用されるが、微小領域を正確に切り出すのは難しい。NanoString DSP法はPICと同じく光化学的な手法であるが、あらかじめデザインされたプローブの遺伝子に限定される。1分子RNA-FISHは国際的に注目されて久しいが、技術的難度から普及していない。また、高度化で取り組む空間エピゲノム・空間プロテオームを複合した技術については未だに前例がなく、本事業による支援が初のケースとなる。