B6-4 DNA-タンパク質相互作用の1分子解析支援

ユニット名

発現・機能解析ユニット

支援担当者

所属 ① 東京大学 定量生命科学研究所
氏名 ① 白髭 克彦
AMED
事業
課題名 先端エピゲノミクス・1細胞解析支援
代表機関 東京大学
代表者 白髭 克彦

支援技術のキーワード

光ピンセット、1分子解析、C-trap

支援技術の概要

光ピンセットを搭載した共焦点顕微鏡システム(C-trap)を使ったタンパク質・DNAの1分子解析の支援を行う。DNA上での1分子のタンパク質の挙動の光学的解析、力学的な解析を行う。

光ピンセット技術は、高度に集光された高出力レーザーが、その焦点付近にナノメートルからマイクロメートル程度の非常に小さな物質を捕捉する性質を応用して、微細物質を操作する技術である。物体の補足に光を用いることから顕微鏡と非常に相性が良く、また物質の操作において直接対象に触れることもないため、顕微鏡下での微細物質の操作、特にDNAやタンパク質などの生体由来物質の操作に適している。また、光ピンセットは微弱な力の計測にも応用が可能で、トラップした物質に力を加えた時の物質の位置と焦点中心との“ずれ”から、1〜数百ピコニュートン程度の力を計測できる(細胞内で生じうる大部分の力をカバーできる)。我々のグループでは、共焦点顕微鏡一体型光ピンセット装置C-trapを導入しDNA-タンパク質相互作用の1分子解析技術を実用化している。本装置は独立した4点の捕捉用レーザーと3種類の蛍光観察用レーザーを備えた国内最高性能の光ピンセットで、これに加え、観察ステージ上にマイクロ流体回路を組み込んだことで、顕微鏡下で計測を行いながらトラップされた分子への化合物の添加・除去やバッファー交換の影響を観察することができる。このように生物学試料の1分子解析に特化した高機能な多点トラップ光ピンセットは世界でも数えるほどしかなく、国内では本装置が最初の導入事例である。

本支援では、光ピンセットを用いて支援希望者が着目するタンパク質のさまざまな機能・性質の解析を支援する。タンパク質については支援希望者からの提供を受けることを想定している。DNAとの相互作用解析に必要なDNAテンプレートはいくつかの準備があるが、特殊なものについては支援希望者と協力して新たに合成する。支援希望者の解析を実現するために必要な実験系を支援者と一緒に考え研究を進める。

▼ コヒーシン複合体を用いたDNA相互作用の解析例

支援技術の利用例

・注目するDNA結合タンパク質が実際にDNA上でどのような挙動を示すのかを1分子で観察したい
・注目するタンパク質が引き起こす力学的作用の強度を測定したい

支援担当者の研究概要

https://www.iqb.u-tokyo.ac.jp/chromosomeinformatics/index.html

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