D1-10 タンパク質X線結晶解析支援

ユニット名

ヒット化合物創出ユニット

支援担当者

所属 ① 九州大学 大学院薬学研究院
② 九州大学 大学院薬学研究院
③ 九州大学 大学院薬学研究院
氏名 ① 植田 正
② CAAVEIRO Jose
③ 高橋 大輔
AMED
事業
課題名 グリーンファルマ創薬構造解析による支援高度化の推進
代表機関 九州大学
代表者 大戸 茂弘

支援技術のキーワード

感染症関連抗原構造解析、感染症関連抗原・抗体複合体構造解析、Cryo-EM、X-ray crystallography

支援技術の概要

2019年以降の新型コロナウイルス感染症の拡大により、感染症に対する研究の必要性が再認識された。すなわち、平時よりパンデミックに対する備え、本邦発のワクチン開発が切望されている。そこで、ワクチン開発を目指したタンパク質モダリティ創製やそれらの機能解析(ワクチンにより産生する抗体の特徴づけ)を構造解析技術(電子顕微鏡解析、X線結晶構造解析)を基盤として支援する。本支援内容は、X線結晶解析や九州大学に設置されたCryo-EM装置を用いた、感染症関連タンパク質構造やタンパク質複合体の立体構造解析であるが、構造解析には、リコンビナントタンパク質の発現技術と精製技術が必要であり、感染症関連タンパク質の発現と精製に関するアドバイスも同時に行う。  

支援技術の利用例

1)ワクチン開発を進めるためには、まず有効な免疫応答を得ることが必要であるが、それを達成するため種々の抗原(タンパク質)モダリティの開発が予想される。本支援では、ワクチン候補タンパク質の構造を解析することで、ワクチン開発の構造学的な知見を得ることが可能となる。Fig1に示すように、リコンビナントSARS-CoV-2スパイクタンパク質が3量体を形成していることがCryo-EMを用いた解析により明らかとなっている。

2)ワクチン開発を行う上で、実験動物がワクチン候補タンパク質に対してどのような抗体を作成しているかを評価することは必要である。本支援により、例えば、実験動物が産生するモノクローナル抗体が中和活性を持つことを構造学的に示すことができれば、ワクチン開発は加速する。SARS-CoV2の細胞への侵入を阻止するモノクローナル抗体(のFab)がSARS-CoV2スパイクタンパク質のRBD(ACE2受容体結合ドメイン)に結合していることをX線結晶構造解析により検証した結果をFig2に示す。

支援担当者の研究概要

我々のグループでは、リコンビナントタンパク質の高発現と高純度精製を行い、タンパク質のX線結晶解析により、タンパク質の構造と機能解析、タンパク質の相互作用解析を行ってきた(Fig.3、4)。

九州大学大学院薬学研究院蛋白質創薬学分野HP (https://meneki.phar.kyushu-u.ac.jp/Protein/TOP.html)

九州大学大学院薬学研究院グローバルヘルスケア分野HP (https://global.phar.kyushu-u.ac.jp)

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