D4-2 スクリーニング機器・測定装置利用支援

ユニット名

ヒット化合物創出ユニット

支援担当者

所属 ① 京都大学 大学院医学研究科
② 京都大学 大学院医学研究科
氏名 ① 萩原 正敏
② 奥野 友紀子
AMED
事業
課題名 産学連携により臨床試験を目指すワンストップ創薬支援
代表機関 京都大学
代表者 萩原 正敏

支援技術のキーワード

機器利用支援、受託解析、スクリーニング系構築支援

支援技術の概要

京都大学拠点では、医学研究科・医学研究支援センターを中心に、化合物スクリーニング・薬効の高次評価に資する機器を備える共同利用体制「医学・生命科学研究支援機構(iSAL)」を整備、今では99種の機器、27種の受託解析メニューが共用のため公開されている。5部局が協働して提供する多様な機器と共に、特に受託解析においては次世代シークエンス解析、特性の異なる質量分析機を活用した質量分析受託、小動物MRI解析受託、マウス/ラットの網羅的行動解析受託など、化合物高次評価につながる高度支援が充実している。

利用者は以下にあるiSALウェブサイト上の機器・受託解析メニューを確認、BINDS申し込みページから、または直接iSALオンライン利用管理システムKUMaCoより利用申し込みを行う。事前に機器仕様等の相談・確認がある場合、まずBINDS申し込みページより連絡いただきたい。

医学・生命科学研究支援機構(iSAL)HP:https://support-center.med.kyoto-u.ac.jp/isal/

当拠点では保有機器を活用したスクリーニング系構築支援も当メニューより受け付けている。当拠点では特にハイコンテントスクリーニングの支援に力を入れており、ハイコンテンツスクリーニングシステムOperaPhenixでの受託解析も開始した。支援の際にはコンサルティング時に丁寧なヒアリングを行い、必要に応じ当拠点及び京都大学内に存在する他の共用施設の保有機器、受託解析の活用の可能性を含めて紹介、支援希望者が最速でヒット化合物同定、Mode of Action(MOA)の同定、POC取得が行えるよう支援する。スクリーニング系構築後、希望者については当拠点やBINDS他拠点保有の化合物ライブラリー利用についての相談も受け付ける。

なお、当拠点ではアカデミア発シーズの開発支援のため、ベンチャーインキュベーション施設「イノベーションハブ京都」が設けられ、ラボスペースをスタートアップ企業に貸し出している。当支援に含まれる機器は企業研究者にも広く公開されているが(一部例外あり)、イノベーションハブ京都入居企業は隣接する医学研究支援センター/ドラッグディスカバリーセンター保有機器についてより好条件にて利用できる。利用条件等は以下HPを参照されたい。

イノベーションハブ京都HP:https://www.ihk.med.kyoto-u.ac.jp/

支援技術の利用例

<スクリーニング機器とマウス行動解析受託を活用した神経疾患治療薬候補の同定>
小林亜希子(京都大学医学研究科助教)、萩原正敏(京都大学医学研究科教授)らの研究グループは、ダウン症(21トリソミー)で神経細胞数の増加を抑えている遺伝子を特定し、その機能を妨げることで神経細胞を正常に増やすことができる化合物アルジャーノンを、続いて神経炎症を抑制する化合物アルジャーノン2を見出した。細胞内化合物薬効評価には、医学研究支援センター保有ハイコンテントスクリーニングシステム ArrayScan VTi及びOperaPhenixを用い、マウスでの薬効評価は医学研究支援センターマウス行動解析室にて行った。
Nakano-Kobayashi, A. et al., (2017). Prenatal neurogenesis induction therapy normalizes brain structure and function in Down syndrome mice. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 114(38), 10268-10273.
Nakano-Kobayashi, A. et al., (2020). Therapeutics potentiating microglial p21-Nrf2 axis can rescue neurodegeneration caused by neuroinflammation. Science Advances, 6(46):eabc1428.

<家族性自律神経失調症(FD)治療薬候補のMOAを同定>
  網代将彦(京都大学医学研究科特定講師)、萩原正敏(京都大学医学研究科教授)らの研究グループは、家族性自律神経失調症治療薬候補RECTASがFDで見られるRNAスプライシング異常を是正する機構を同定、iPS細胞やマウス等の疾患モデルの解析からその治療効果を示した。本論文中で利用したビオチン化RECTASは合成展開支援室において合成された。
Ajiro, M., et al., (2021). Therapeutic manipulation of IKBKAP mis-splicing with a small molecule to cure familial dysautonomia. Nature Communications, 12:4507.

支援担当者の研究概要

萩原 正敏(京都大学大学院医学研究科 形態形成機構学講座):https://www.anat1dadb.med.kyoto-u.ac.jp/

奥野 友紀子(京都大学大学院医学研究科 医学研究支援センター):https://support-center.med.kyoto-u.ac.jp/SupportCenter/

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