所属 | ① 鳥取大学 染色体工学研究センター | |
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氏名 | ① 香月 康宏 | |
AMED 事業 |
課題名 | 染色体工学技術を用いたヒト化モデル動物・細胞による創薬支援 |
代表機関 | 鳥取大学 | |
代表者 | 香月 康宏 |
ヒト化動物・細胞、疾患モデル動物、ヒト/マウス人工染色体、薬物動態、抗体医薬品
・人工染色体を用いて作製された薬物動態ヒト化モデル動物・細胞、完全ヒト抗体産生動物、疾患モデル動物などの「資材」の提供
・薬物動態ヒト化モデル動物・細胞、完全ヒト抗体産生動物、疾患モデル動物を用いた動物実験と各種サンプルの提供および解析データの提供
【薬物動態ヒト化モデル動物・細胞】支援
【完全ヒト抗体産生動物】支援
【疾患モデル動物】支援
本支援の目的は独自の染色体工学技術で開発した薬物動態ヒト化モデル動物・細胞、完全ヒト抗体産生動物、疾患モデル動物を支援に活用することで、ヒトに対する安全性予測の向上、および医薬品開発のスピードアップと成功確率の向上を目指す。
【薬物動態ヒト化モデル動物・細胞】
実験動物とヒトでは薬物代謝酵素やその関連因子の特性に種差があり、実験動物で得られた結果からヒトでの薬物代謝や安全性を予測できない場合が多い。我々はこの課題を克服するために、Mbサイズの遺伝子・複数の遺伝子が制限なく搭載可能なマウス人工染色体(MAC)ベクターを用いて、薬物動態に重要とされる遺伝子群のヒト化マウス・ラットの作製に成功し、薬物動態・薬物代謝がヒト肝臓・小腸と同等であることを実証してきた。さらに、肝臓や小腸のin vitro細胞モデルとして、MACにより薬物代謝酵素等の遺伝子を補足することで高機能化した細胞モデルの作製に成功している。上記の薬物動態ヒト化モデル動物・細胞を活用してヒト動態・安全性予測支援等を行い、さらに高度化を行うことでヒトを外挿できる評価系を構築する。
【完全ヒト抗体産生動物】
抗体医薬品の実用化における最大の障壁は、通常はマウス由来であるモノクローナル抗体のヒトに対する免疫原性であった。我々はこの課題を克服するために、独自の人工染色体を活用して、無傷のヒトIg遺伝子座を安定的に保持し、ヒト抗体を産生するマウス/ラットの作製に世界で初めて成功した。完全ヒト抗体産生動物を活用すれば、安全かつ高機能なヒト抗体を取得することが可能であり、ひいてはアカデミア発の次世代抗体医薬品の創出に繋がることが期待される。
【疾患モデル動物】
独自の人工染色体を活用して、ダウン症モデル動物およびデュシャンヌ型筋ジストロフィーモデルマウスの作製に成功してきた。これらは疾患の治療薬探索のモデル動物としてユニークな評価系として活用が期待される。