G1-1 ライブラリー提供支援

ユニット名

連携・融合ユニット

支援担当者

所属 ① 東京大学 大学院薬学系研究科附属創薬機構
氏名 ① 小島 宏建
AMED
事業
課題名 企業ノウハウとアカデミア支援経験に基づく創薬リード創製支援
代表機関 東京大学
代表者 小島 宏建

支援技術のキーワード

データベース、低分子、中分子、リポジショニング、企業化合物

支援技術の概要

2022年現在34万サンプルの国内最大規模の化合物ライブラリーより、皆様の研究目的に最適なサンプルについてコンサルティングを行い、ご希望のサンプルを提供している。

・提供サンプル(DMSO溶液)の数や種類の相談
・μL単位での提供サンプルのマイクロプレートへのチップ分注・提供
・nL単位での微量分注によるAssay readyプレート作製・提供(受取後の化合物分注作業が不要)
・産学官いずれの研究者も利用可能
・使用目的や方法とアッセイ結果の通知が必要(創薬以外の目的も歓迎)
・共同研究的な支援を伴わない場合、一般提供用サンプル利用で得られた成果は利用者に帰属(多数の企業研究者利用実績有)
・サンプル自体は無償で、プレート代や送料等の実費請求のみ

化合物ライブラリー利用手続に関する詳細情報  https://www.ddi.f.u-tokyo.ac.jp/application/

nL単位でのアッセイレディプレートに関する情報  https://www.ddi.f.u-tokyo.ac.jp/faq/のQ10参照


化合物ライブラリー構成の概要

私たちは、化合物ライブラリーを2006年度より構築し始めた。当時の市販化合物データベースより忌避部分構造を考慮しつつ、タンパク質親和性候補化合物を広く選択した後、化学構造の多様性を確保するために化合物の記述子に基づくクラスタリングを行い、その各クラスタより代表化合物を収集した。大学研究室由来などのユニークな骨格構造をもつ化合物や市販天然化合物、天然化合物誘導体も精力的に収集した。また、リポジショニングにも用いられる既存薬や既知薬理活性物質も充実させている。報告を受けたアッセイ結果より、多種のタンパク質に結合する、いわゆるfrequent (promiscuous) hittersについて汎用ライブラリーより除外するような改良を重ねている。以下に、ライブラリーの分類を示す。

  1. Validated Compound Library リポジショニングや構築アッセイ系の確認に用いられるサンプルのセット(既存薬(医薬品登録歴有) 約1700サンプル、既知薬理活性試薬 約2200サンプル)
  2. Core Library 当機構の化合物ライブラリーの構造多様性等を考慮して選抜した代表9600サンプル(ヒットの確認用にそれぞれのサンプルについて類似化合物を数個ずつ保有。部分提供や分割提供(サンプル数の削減)可能。内包する脂溶性が高めの細胞内標的用コア2400サンプルのみの提供可。)
  3. Advanced Core Library Core Library評価後、Full Library(全化合物)の評価は困難だが、さらに評価数を拡大されたい方のために選抜した22400サンプル
  4. Fragment Library, Scaffold Library 存在しうる化合物の種類(ケミカルスペース)が比較的少なく、合成展開による官能基修飾の余地がある分子量250以下のフラグメント化合物や分子量250~300のスキャフォールド化合物などを重点的に集めた物理化学的アッセイにも用いられる低分子量のサンプル
  5. Focused Library ①kinase②GPCR③protein-protein interaction④ion channel⑤proteaseに対して高ヒット率が期待される化合物、あるいは、ヌクレオシド類縁化合物を収集・合成したサンプル
  6. 企業寄託化合物 小野薬品工業(株)、第一三共(株)、田辺三菱製薬(株)等より寄託を受けたサンプル(利用条件はそれぞれ異なる。)
  7. AMED中分子化合物 タンパク質間相互作用の阻害を予測して合成した15000サンプル、サプライヤ市販品を収集した41280サンプル(利用条件は一般化合物と異なる。一般に分子量が大きな分子ほど生体分子との相互作用が強い可能性があり、低分子では難しいとされるタンパク質間相互作用の阻害が期待できる。ケミカルスペースに占めるスクリーニング化合物の割合、溶解度や膜透過性などの物性面、合成展開性で有利な低分子と比較されてご利用ください。)


支援技術の利用例

800以上の研究テーマに対し、のべ3000万を超えるサンプルを提供してきた。
弊機構ウェブサイトに公表可能になった事例を多数掲載。
https://www.ddi.f.u-tokyo.ac.jp/results/
https://www.ddi.f.u-tokyo.ac.jp/publications/

支援担当者の研究概要

創薬機構は、文部科学省やAMEDからの公的資金により整備した国内アカデミア最大の化合物ライブラリーなどの創薬研究基盤を活用し、皆様のライフサイエンスや創薬研究を製薬企業のノウハウを取り入れて支援することを主業務にしている組織。
詳細はウェブサイト(https://www.ddi.f.u-tokyo.ac.jp)参照。

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