G2-4 ライブラリー提供支援

ユニット名

連携・融合ユニット

支援担当者

所属 ① 大阪大学 大学院薬学研究科
② 大阪大学 大学院薬学研究科
③ 大阪大学 大学院薬学研究科
氏名 ① 辻川 和丈
② 布村 一人
③ 林 邦忠
AMED
事業
課題名 創薬サイエンス研究支援基盤の統合による創薬イノベーションの加速
代表機関 大阪大学
代表者 辻川 和丈

支援技術のキーワード

化合物ライブラリー、J-PUBLIC化合物、製薬等企業オリジナル化合物、大阪大学オリジナル化合物、海洋天然物

支援技術の概要

大阪大学薬学研究科附属化合物ライブラリー・スクリーニングセンター(Compound Library Screening Center: LiSC)では、大阪大学オリジナル化合物ライブラリー、J-PUBLIC化合物ライブラリー、製薬等企業オリジナル化合物ライブラリーと市販化合物ライブラリーの提供支援を行っている。

大阪大学オリジナル化合物ライブラリーは、大阪大学薬学研究科合成研究者が合成し、製薬会社出身・出向の創薬化学研究者によりdrug-like compoundsとして認められたものや、天然物化学研究者が自ら東南アジアなどの海洋から採集した海綿などの底生海洋生物や海洋微生物を資源とする天然物エキスライブラリーから構成される。

J-PUBLIC化合物ライブラリーは、国内企業9社が参画し、多様性ある化合物ライブラリーを共同管理及び利用する「日本パブリックライブラリコンソーシアム(J-PUBLIC)」がAll Japanで創薬を推進するため構築しているものである。アカデミアに対してLiSCが唯一J-PUBLICライブラリーの提供機関となっている。このライブラリーを利用したハイスループットスクリーニングによりヒット化合物が見出された後、類縁体検索により約44万粉体化合物、約23万溶液化合物もLiSCと相談の上、利用可能となる。このライブラリーを利用して得られた研究成果は利用研究者に帰属し、またJ-PUBLIC参画企業との共同研究へと進む可能性もある。

製薬等企業オリジナル化合物ライブラリーは、アカデミア創薬を推進させるためLiSCに提供されたものである。この化合物ライブラリーを用いて創薬標的分子に対するヒット化合物が見いだせれば、提供製薬等企業との共同研究へと発展することも期待される。

市販化合物ライブラリーとしては以下が利用できる。Drug-like Set(Lipinsky and Veber Ruleに順応したDrug-Likeな化合物からDiversity性を考慮して作製されたセット、20,160化合物)、Representative Diversity Set(構造多様性を考慮して選択された日本限定販売セット、20,000化合物)、Pharmacological Diversity Set(ケミカルスペースの中より薬理活性が見込まれる範囲から構成されたPharmacologyとChemistry両面の多様性を備えるセット、10,240化合物)、The Spectrum Collection(US-Drug Collection:米国で臨床試験に到達した化合物、1,200個、International Drug Collection:International Pharmacopia収載既薬、320個、Natural Products Collection:純天然物と天然物誘導体、800個から構成されたライブラリー)、Enamine PDR subset(Drug-like、Representative Diversity、Pharmacological Diversity のセットの代表的化合物を2:2:1の割合で構成するサブセット、2,000化合物)、LoPac(阻害薬、リガンド、承認薬等、1,280化合物)、FDA-approved Drug Library(FDA承認済み化合物や薬理活性が判明した化合物、USAで臨床試験まで到達した化合物、1,134化合物)、Enamine Extra Collection(Enamine社からの追加購入した化合物、539化合物)、Pfizer Drug (Pfizer社で開発された化合物、90化合物)、Tocriscreen Stem Cell Toolbox(幹細胞関連化合物、80化合物)。

支援技術の利用例

1.化合物ライブラリーの利用によるヒット化合物の創出
1)BINDSの支援申請後、コンサルティングによりハイスループットスクリーニング(HTS)実施のための化合物ライブラリーの選択相談を行う。
2)支援承認後、化合物ライブラリーを取得する。
3)化合物ライブラリーを用いてHTSを実施する(LiSCにおいてスクリーニング機器の利用やHTS実施支援も受けることができる)。
4)チェリーピッキングによる化合物の再評価を行う。
5)ヒット化合物に対して、大阪大学薬学研究科構造展開ユニットの創薬化学研究者に相談することもできる。

2.化合物ライブラリー分注機器
ECHOアコースティック 分注装置(音響技術を利用したナノリッターの非接触液体分注装置/96ウェル、384ウェル、1536ウェルマイクロプレートへの分注)、HT-アッセイシステム(FLUENT、Freedom EVO200)などが整備されている。

支援担当者の研究概要

大阪大学薬学研究科創薬サイエンス研究支援拠点は附属化合物ライブラリー・スクリーニングセンタ―(LiSC)と附属創薬センター(Drug Innovation Center:DiNC)から構成されている。LiSCには製薬会社などでHTS系の構築やHTS実施を担当した創薬研究者が所属しており、HTS系の構築、化合物ライブラリーの分注と提供、HTSの実施などを支援する体制が整っている。またLiSCとDiNC構造展開ユニットやDiNC薬物動態・安全性試験ユニットとは相互連携体制が構築されており、大阪大学薬学研究科創薬サイエンス研究支援拠点においてアカデミア創薬研究の支援をシームレスに受けることができる。

大阪大学大学院薬学研究科創薬サイエンス研究支援拠点HP:http://www.phs.osaka-u.ac.jp/souyaku_kyoten/
LiSC化合物ライブラリーHP:https://www.phs.osaka-u.ac.jp/souyaku_kyoten/clsc/index.html

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