所属 |
① 大阪大学 大学院薬学研究科 ② 大阪大学 大学院薬学研究科 ③ 大阪大学 大学院薬学研究科 |
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氏名 |
① 辻川 和丈 ② 布村 一人 ③ 林 邦忠 |
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AMED 事業 |
課題名 | 創薬サイエンス研究支援基盤の統合による創薬イノベーションの加速 |
代表機関 | 大阪大学 | |
代表者 | 辻川 和丈 |
In vitro ADMET、薬物動態評価、物性評価、心毒性評価
1.物性、薬物動態評価
物性、in vitro ADMET試験では下記の項目の支援を行う。
1)溶解度、LogD測定
化合物のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に対する溶解度(100 μM)を測定する。測定に使用する液体クロマトグラフィーの溶出時間から、化合物のLogD値を算出する。
2)膜透過性試験
Caco-2細胞や人工脂質膜を用いたParallel Artificial Membrane Permeability Assay(PAMPA)により化合物の膜透過性を測定する。
4)血漿タンパク結合性試験
ヒト、マウス等依頼に応じ各種の血漿を用いて、血漿タンパク質に対する化合物の結合性を測定する。
5)CYP阻害性試験
ヒト肝ミクロソーム画分と6種のCytochrom P450 (CYP)に対するモデル基質を用いて、化合物のCYP阻害性を測定する。
6)CYP誘導性試験
化合物によるヒトCYP3A4の誘導能を測定する。
2.心毒性評価
ヒトiPS細胞由来心筋細胞を用いて、Ca fluxにより心室の脱分極から再分極までの時間を表す指標であるQT延長(心電図の QRS 群の開始から T 波終了までの時間であるQT 間隔)等を測定し、心毒性評価を行う。
3.創薬支援機器
In vitro ADMETの各試験項目に応じた実験機器を揃えており、液体クロマトグラフィー・タンデム質量分析法(Liquid Chromatography-tandem Mass Spectrometry: LC-MS/MS)により測定を行っている。
心毒性試験については、Functional Drug Screening System (FDSS)を用いてCa fluxアッセイを行っている。
In vitroにおいて活性が認められた化合物を用いてin vivoの薬効試験を行った際、期待される薬効が得られないケースがある。その理由として、化合物の溶解度や体内動態に問題があり、生体内の疾患ターゲットに作用していない場合や、化合物の毒性により実験動物に障害が出る場合などがある。よってin vivo薬効試験を行う前に、in vitro ADMET(物性、薬物動態、毒性)の評価を行うことにより、化合物の問題点抽出や、物性や体内動態、毒性面に優れた化合物の選別が可能となる。
製薬会社で行われているin vitro ADMET試験の技術移転を受けて、大阪大学薬学研究科附属創薬センター(Drug Innovation Center:DiNC)の構造展開ユニット(Lead Exploration Units: LEU)に所属する創薬研究者が本支援を担当している。LEUには、製薬企業出向、出身の創薬化学研究者も在籍しており、in vitro ADMET試験結果を受けて化合物の問題点改善の助言を受けられる。
大阪大学大学院薬学研究科創薬サイエンス研究支援拠点HP:http://www.phs.osaka-u.ac.jp/souyaku_kyoten/
DiNC構造展開ユニットHP:http://www.phs.osaka-u.ac.jp/souyaku_kyoten/about/leu.html